退院する間際、主治医のK医師に手術で撮影した画像を見せてもらった。昨日は、50パーセントぐらい狭窄していた箇所が90パーセントになったと聞いていたが、そうではなくて、昨年12月の画像ではまったくきれいで、何の問題もないように見える箇所が詰まっていたということを知らされ、心底驚いた。そこは枝分かれしているところなので、バルーンを膨らませてステントの側壁に穴を開け、枝のほうにも血液が流れるようにしたという。道理で、手術中にバルーンの圧力をいろいろ指示して、ずいぶん大変そうだったはずだ。
こんなに頑張っても狭窄が進んだことに昨日ショックを受けたが、まったく問題のなかった部分が90パーセントまで詰まってしまったとは、あまりにも早すぎる。このまま行けば、ステントを何本も入れる羽目になる。おまけに、心臓だけではなく、脳梗塞のキケンもあるわけで、昨日以上に暗澹たる気持ちになってしまった。
もうひとつショックだったのは、昨年12月に心筋梗塞を起こした箇所は、95パーセントぐらい詰まっていたのではないかと言われたことだ。前回手術を担当したY医師は、あまり狭窄が進んでいないのに内壁から出血してわらわらと血小板が集まり、梗塞を起こしたと説明してくれた。群馬のA医師も、75パーセント以上狭窄している人が心筋梗塞になるのは8人に1人で、ほとんどがあまり狭窄が進んでいない人だと言っている。ネットでは、25パーセントぐらいの狭窄から出血する例がもっとも多いという説もあった。狭心症が進んで心筋梗塞になるというこれまでの常識とはまったく違う、新しい知見だ。
ところが今回のK医師は、旧来の見方をとっている。さて、自分の場合はどちらなんだろう。これまでは、メタボ関連でリスクのない自分がなぜいきなり心筋梗塞になったのか疑問に思い、Y医師やA医師の説明がその回答であると思ってきた。しかし、急速に90パーセントまで進行してしまうのが自分の体質だとしたら、旧来の見方も成り立つ。そういう見方に立てば、今回90パーセントの狭窄を治療してもらえたことは、命が助かったということになる。動脈硬化と心筋梗塞についての関係、まだまだ勉強しなければならないな。
主治医の説明の前に栄養士が来て、食事指導の話を聞いたが、うちは模範的で、ほとんど改善する余地はないことが明らかになった。あまり極端に食事制限をして作るほうも食べるほうもストレスになるより、いまのままを続け、たまには羽目を外すこともいいのですよとも言われた。つまり、いま改善できることはない。いまのままを続けるしかないということだ。ここでもまた、手詰まり……。
来年の6月、またカテーテル検査をすることになった。そこでステントを入れる必要がなければ、薬剤投与や生活改善の効果があったとして、新たに症状が出ないかぎり、もうカテーテルはやらなくなるという。重い荷物を背負い込んでしまった気分から、まだ抜けられそうもない。
いま考えているのは、西洋医学の範疇ではもう難しそうだということだ。体質の改善をはからなければ、また同じことになる。ヨガなり、他のストレッチなり、試してみたほうがいいように思う。