風薫るという表現がぴったりの5月の初夏の日差しに誘われて、黒犬を野川公園に連れて行った。日曜日なのでさぞかし混んでいるかと思ったが、まだ時間が早かったせいか、それほどでもない。でも、野鳥観察関係の団体がけっこういて、思う存分走らせるにはいたらなかった。黒犬は最初、芝生に座り込んで川のほうへ行こうとしない。体調が悪いのかと心配したが、そうではなかったようだ。
鮮やかな緑が広がり、気持ちがいい。つい深呼吸したくなるが、じつはすぐそばをまるで高速道路みたいな感じで東八道路が走っている。
今日は、流れが強く、少し濁っている。先日来の雨のせいか。脇の小道もどろどろで、靴が濡れて気持ち悪い。水があふれたというより、きっと湧水なのだろう。水辺の草が茂ってしまっているのが嫌なのか、いつもほど水遊びはしなかった。
さて、芝生でボール遊びの始まり。ボールをまったく見ないで、勢いよく走り出す。
日頃の散歩では絶対に見せない、鋭い走り。やっぱり猟犬の血が騒ぐのか。
軽やかに駆け巡る。首輪に付いているワン歩計がちょっと重そう。
せっかくくわえたボール、あげないよ、という顔。
ガフフ。今日一番のショット。ボールにかぶりつく瞬間、こんな怖い顔をしていたとは……。
見返り美人。あの怖い顔はどこへやら。
ひとしきり走り回って、ひと休み。芝生に顔を埋める。左目の上に、ものもらい(マイボーム腺腫)ができてしまっている。この治療のために金曜夜に病院に行き、嫌な思いをした。それが、いつもほどは、はしゃがなかった原因か……。
いつもの岸がぬかるみなので、帰り道は対岸から。輝く緑のなかを行く。